嫁が応募した東宝シネマズの「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」の試写会に当選し、昨夜二人で見に行ってきました。
事前に何も映画に関する情報を仕入れておらず、タイトルからスパイ映画かなと思っていましたらまったく異なるものでした。
監督はスティーブン・スピルバーグです。
オリジナルのタイトルは The Post なので新聞社ということですね。
原題どおり新聞社を舞台にした話で、時の権力の圧力に屈しない新聞社とそのスタッフ、関係者たちを描いた社会ドラマです。
時はベトナム戦争が行われていた1960年代から1970年代初頭にかけて、ベトナム戦争に関する政府の意思決定に関する極秘文書を新聞社(ワシントンポスト)が新聞に掲載するべきかしないべきか、メリルストリープ演じる社主、トム・ハンクス演じる編集主幹、その他様々なステークホルダーたちが、政権のみならずアメリカ社会全体を揺るがしかねない問題をどう扱うか葛藤する模様を描くことにより報道、出版の自由と権力との関係性をあぶりだしています。
最高機密文書は確かに映画の中で鍵を握るのですが、映画のメインのテーマとは異なります。
ちょっと「ペンタゴン最高機密文書」という邦題が釈然としないところがありますが、なかなか硬派な見ごたえのある映画かと思います。
日本に目を移せば権力者たちによる公文書改ざんが疑われている昨今です。
財務省の局長とはいえ一役人が上からの指示もなく国会に提出する文書の改ざんを行うとは想像しがたいです。
報道・出版の自由も国民の権利を守るうえで非常に重要なのですが、公文書の改ざん問題も国民の代表である国会を欺いたということで国民の知る権利を著しく損ねていると言わざるをえません。
この問題は森友問題とは別次元の問題で民主主義の根幹に関わってくるので、日本のメディアも不倫報道とかはどうでもいいのできちんと追及して欲しいものです。