絆(きずな)
断ちがたい人と人の結びつき(明鏡国語辞典)
あくまで私の場合ですが、絆という言葉はあまり好きではないです。
2011年の東北大震災以降比較的よく使われていますが、なんでしょう、この重い言葉の響き。
親子の絆とか夫婦の絆という場合はわかりますが、他人同士で絆というのはいかがでしょう。
100歩譲っても親友まででしょうか。
絆というと私がイメージするのはヤクザの世界です。
親分と部下は血の絆で結ばれ、何かあっても簡単には組を抜け出せないような・・・
絆という言葉には強依存または共依存が連想されます。
絆で結ばれた者どうしはお互い思いやりがあってお互いの最善を尽くしますが、そうでない場合、要は他者ですが、自分と関係のない者に対してはぞんざいに接します。
絆には排除の論理が働くように感じられます。
ヤクザでなく普通の人でもけっこうこういうタイプの人は多いかと思います。
身内にはやさしいのですが、他人には失礼な態度を取りがちな人です。
みんながそうとは言いませんが、いわゆるマイルドヤンキーという人たちはこのタイプに入るかと思います。
たぶんこういう人たちは「絆」という言葉が大好きなんじゃないでしょうかね?
自分と利害関係のある人にはやさしいのですが、それ以外の人には厳しく接します。
絆が従業員と会社の間の絆だとヤバいですね。
完全ブラックです。
そんな絆はクソくらえです。
そもそも絆なんて意識するモノでもないですし、意図的に作るモノでもないと思うのです。
お互い一個人として相手に対して感謝の気持ちを持つのは大事だと思いますが、絆を振りかざして相手に何か求めるというのはちょっとおかしいかと。
絆という言葉には何かうさん臭さを感じてしまいます。
絆より単に「優しさ」のほうがしっくりきます。
「優しさ」をベースにしたゆるい束縛のない関係、結びつきのほうが、「絆」より人間と人間の関係性としては好ましいように思います。
私がちょっとひねくれているのかもしれません。(笑)
でもセミリタイアを考えている人は私みたいな考えの人が多いような気がします。