この記事を読んでちょっとブルーな気持ちになったと同時に、今の日本の問題点の一つを浮き彫りにしてくれたような気がします。
《世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと……たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください》
ジェンダー論、女性学で有名な上野千鶴子東大名誉教授 が東大の入学式で新入生に送った祝辞の一部です。東大に入学したエリートの心にどれだけこの言葉が響いているかわかりませんが、人間は天狗になるとろくなものではありません。
努力、努力、努力と子供の頃から叩き込まれているので、努力しない者に対してはムチャクチャ厳しい日本になっています。生活保護者に対する侮蔑だとかそうですね。働こうと思っても病気、事故その他で働けない人もいますし、家庭の事情で進学すらままならない子供たちもいます。努力した人ほど努力しようにも努力できない人を見下す傾向にあります。
イギリスを旅行した時、道端にはけっこう物乞いの人がいましたが、あれは手を差し伸べてくれる人がそれだけいるから成り立つわけで、日本ではホームレスですら空き缶収集など労働しています。厳しいですよね。
日本が「きわめて他人に冷たい国」であることを示すデータはまだまだある。
イギリスのチャリティー団体Charities Aid Foundation(CAF)が、人助け、寄付、ボランティアの3項目についての評価を各国別にまとめて発表する世界寄付指数(World Giving Index)。その2018年の調査では日本は144カ国中、128位だった。項目別でみると、
●Helping a stranger(他人を助けたか)が142位!!(つまり下から3番目)
●Donating money(寄付をしたか)が99位
●Volunteering time(ボランティアをしたか)が56位
恐ろしいぐらいに他人に無関心で、冷淡な国民ということになる。
実際このとおりの順位のような気がします。ボランティアも災害ボランティア以外のボランティアの割合はもっと低いでしょう。災害の場合、被災者にふりかかった事象は本人の努力の範囲外だから助けないといけないわかりやすさがあると思います。
かくいう私もシャイな性格もあいまって、困っている人を見ても助けるのを躊躇してしまうところがあります。自覚している自分の良くないところです。人助けということでは献血には良く行っていますが、これはこれで続けるとして、それ以外にも困っている人を見かけたら躊躇せずに声をかけようと思いました。
あと年に1万円くらいは災害義援金以外のどこかに寄付しようかと思います。子供もいないのでそれくらいは世の中に貢献したほうがいいかと思います。