コロナで外出自粛中、写真の整理をしたり、昔懐かしい動画を見たりして過去を振りかえって楽しんでいます。
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昔の漫才がおもしろい
私は今のお笑いより昔の漫才や落語が好きなんですけど、これはけっこう時代を遡りますね。
1983年、昭和58年の収録の夢路いとし喜味こいしの漫才でネタは「理想的隠居」。私の住んでいた関西地方だけかもしれませんが、土・日の昼とかはお笑いの番組が多かったような気がします。
当時は漫才ブームでツービートや紳助竜介、ザ・ぼんちなど若手のスターがどんどん出てきた時代ですが、いとしこいし師匠は彼らより二回りくらい年上ですね。
そしてテレビに登場するお二人を「わーっ、すごいおじいさんが漫才やっている」と思って見てました。が、しかし、驚くことなかれ、この頃はお二人はまだ50代後半だったんですね。今のダウンタウンくらいの年齢です。
兄のいとし師匠の死によりいとしこいしは2003年に活動を終了し、2011年にはこいし師匠も故人となりました。
上方漫才の最高峰だったいとしこいし師匠
いとしこいし師匠の芸はのちの芸人からもこのように評価されています。
西川きよしはいとし・こいしの優れた点として、独特の呼吸と間を持ち常にマイペースで演じる点を挙げている。きよしは2人が持つ呼吸と間の絶妙さについて「漫才界で名人といえるのは、いとし・こいし先生だけと言って間違いない」と評している。
上岡龍太郎は、いとし・こいしの漫才の凄さは無駄がなく、悪いところが何もない点にあると評している。
ビートたけしは、いとしこいしが自身の番組にゲストで出演した際「いとこい師匠は自分が駆け出しの頃から雲の上の人。同じ舞台に上がるのはおこがましい」と発言。
志村けんも「同じネタを何度見ても面白いのは凄い。間とタイミングが真似できない」
爆笑問題は掴みネタや客いじりなど一切なしの本ネタだけのスタイルを「芸人として格好いい」としている。
あのダウンタウンの2人も漫才の理想形と認めるいとしこいし師匠ですが、子供のころ私のオヤジも好きで良く見てました。
私の好きなのはオール阪神巨人でしたけどね。今ではナイツかな?
いとしこいし師匠のよさは子供のころよくわからなかったですが、今聞いてみるとすーっと耳に入ってきます。
なんでしょうね、このお客を笑わせてやろうという作為を感じない脱力感は。これが名人芸なんでしょうね。
本来の隠居の意味は
さて漫才のタイトルにもある「隠居」という言葉、今はほとんど使われなくなりましたね。
1947年(昭和22年)に民法が改正される前までは、家督制という制度があって世帯主である戸主は家督を子などに譲り渡す場合に役所の手続きが必要で、家督を渡した終えた者、終えることを隠居と呼んだようです。
隠居するにも勝手にできないのはちょっとびっくりです。
その後、この昭和50年代くらいまでは今でいう定年退職してリタイアすることをふつうに隠居と言い表していたのでしょうね。
悠々自適の隠居生活
昭和の隠居という言葉には「悠々自適」という言葉がセットでついてくることが多かったと思います。60歳を過ぎて働くことがそれほど一般的ではありませんでした。
でも今は隠居という言葉は「定年後」「老後」「リタイア」という言葉に置き換わり、
これらの言葉を聞いても「悠々自適」という言葉はなかなか思い浮かびません。
老後破産
老後2000万円問題
定年後離婚
定年後再雇用
定年後うつ
リタイア失敗
・・・・・・・・・
いとしこいし師匠の漫才を聞いて悠々自適な昭和の隠居生活を想像してしまいました。
話は変わりますが
話は変わりますが昔の紳助竜介の漫才を見ていて、これは今の時代だとヤバイと思いました。
ナイナイの岡村さん発言の比じゃないですね。一発アウトです。別に批判するわけではないですが、昔はこんなのがテレビでも普通に流れていたんですね。
そう考えると時代は大きく変わったものです。