NHKのラジオ第一放送で日曜日の朝8時から放送されている音楽の泉というクラシック音楽の番組をご存知でしょうか。
私の家は朝はいつもNHKラジオを流しているのでほぼ毎週聞いています。
音楽の泉は1949年から放送が開始されています。現在71年目の超長寿番組です。皆川達夫さんはその3代目司会者。立教大学の名誉教授でもあり、1988年から今年の3月29日まで、31年にもわたって司会を務めてこられてきました。
その31年という長い年月にも驚きますが、さらに驚くのは皆川さんの年齢でなんと御年92歳です。番組を担当された時点で61歳。収録かもしれんませんが、それから毎週欠かさずご出演されていました。
声も張りがあってとても92歳とは感じなかったんですが、今年の3月29日の年度末の放送では「最近ちょっと体調がよくないので辞めさせてもらいます」とご自身でおっしゃっていました。
で、4月からは新しい司会者が担当するのですが、先の日曜日の音楽の泉のテーマがいきなり「皆川達夫さんを偲んで」でした。
えっ、まさかと思ってネットで調べてみたら最後の放送から21日後の4月19日に老衰でお亡くなりになったそうです。
個人的にはかなりびっくりしました。
そんなに真剣に聞いていたわけではないですが、何十年と皆川達夫さんの声を毎週耳にしていました。
うーん。辞めたあとゆっくりと残りの余生を楽しみにされたらいいのにと思うとちょっと早すぎですね。
しかし率直に言うと亡くなられて悲しいというより、羨ましいというべきか、亡くなる間際まで好きな仕事をされてすごいなーとも思います。
幸せかどうかは本人が決めることでしょうけど、はたから見ている分には死ぬ直前、しかも92歳という年齢まで好きなことをやって、しかもお金をいただいていたわけですから、こんな幸せな人生はないんじゃないかと思います。
普通の勤め人だと仕事は会社に属しているので、いくら仕事が好きでも退職=仕事の終わりと同じです。
死ぬまで好きなことをする人はけっこういるでしょうけど、それでお金を稼ぐというのは一部の芸術家などを除きなかなかいないかもしれません。
理想的な生涯現役の形だと思います。うらやましいですが私にはそこまで打ち込めるものがありません。
もう50年も生きてきてるんですが。
しかしそれもまた人生・・。というか、きっとそれが普通。