沖縄を訪れるのは13年ぶり、今回で10回目です。
本島のほか主な離島もいろいろ行きましたので、今回はまだ行っていない場所ということで、慶良間に行ってみようと思います。
- 泊港から出発
- くじらレンタカー
- 慶良間海峡展望所
- 阿波連ビーチ
- 裏ヶ丘展望台
- 阿波連岬園地
- 見花原遊歩道
- アラン展望台
- 港の見える丘展望台
- 白玉之塔
- 集団自決跡地
- 東展望台
- 西展望台
- 渡嘉志久ビーチ
- 照山展望台
- 帰りのフェリーとかしき
渡嘉敷島のある慶良間諸島は、那覇市のおよそ西方40㎞に位置する、大小20の島からなる諸島で、渡嘉敷村と座間味村に分けられます。
今回訪れる渡嘉敷島は渡嘉敷村で一番大きな島で、人口1人とされる前島を除いて、2020年10月1日現在で764人いる村民のほとんどすべてが渡嘉敷島に住んでいます。
泊港から出発
ここは慶良間をはじめ久米島や渡名喜島、粟国島など、沖縄の各離島への航路が集中する泊港です。
沖縄旅行2日目は、ここから船に乗って慶良間諸島の渡嘉敷島を訪れることにします。
行きは高速船に乗船します。マリンライナーとかしきは全長35m、総トン数197トン、定員200名の双胴船です。時速約60㎞で航行、40㎞離れた渡嘉敷島まで約35分の船旅。慶良間諸島は那覇からじゅうぶんに日帰り圏内です。
こちらが高速船の乗車券。片道2,530円+環境協力税100円。
高速船なので安くはないです。渡嘉敷島へは高速船かフェリーの二択になりますが、今回は行きは高速船、帰りはフェリーです。フェリーの運賃は片道1,690円+環境税100円ですね。支払いはクレジットカードがOK。
高速船、フェリーのいずれも渡嘉敷村の村営航路となります。村の財政に貢献させて頂きます。ちなみに島民は割引運賃が適用されるそうですね。
乗船時に検温があります。コロナを島に持ちこませない。
双胴船なので幅が広い船内ですね。乗客は全員でざっと30人くらいでした。平日でしたが、おそらく海で遊ぶのだろうと思われる若い人も多くいました。
船は泊港をはなれ外洋に出ますが、思ったほど揺れません。天気が良かったせいでしょうか。
渡嘉敷島が見えてきました。かなり山がちな島のようです。
渡嘉敷港に上陸。渡嘉敷島の産業はダイビングや釣り客、海水浴客相手の観光業が中心です。夏には船の予約がとれないほど賑わうそう。
くじらレンタカー
島内はレンタカーで観光します。レンタカー業者は3社あるようですが、今回はくじらレンタカーさんでお世話になることにしました。事前にネット予約してあります。ネットで見た限り一番信頼できそうな業者さんでした。
上陸するとクジラレンタカーの若いお兄さんが看板を持って立っていました。声をかけると車で1分程の営業所に連れていかれます。
営業所と言っても砂利の駐車場に物置レベルの小屋が立っているだけでしたが・・(笑)
料金は消費税、ガソリン代、免責保証込のコミコミプラン6時間で5,500円です。車は軽のダイハツミライ―ス。
ちなみに車は返却時に、営業所に誰もいなかったら、鍵をつけっぱなしにしてそのまま置いて帰ってもいいとのこと(笑) 離島なので犯人がすぐわかるので、誰も盗まないんでしょうね。
また島内では、50CC原付バイクのレンタルバイクが価格も安く、もっともポピュラー。レンタサイクルもありますが、島はアップダウンが激しいので、シティサイクルではかなり厳しいかと思います。
逆にロードレーサーやMTBなど自転車やっている人なら、いいトレーニング場所になりそうですね。
慶良間海峡展望所
さっそく島のメインロードを走ります。豆みたいな形をした南北に細長い島の東側から西側へ横断します。山越えの道です。
渡嘉敷島には地図で数えたところ、島内の10ケ所に展望台が設置されていて、滞在時間5時間半の間で、できるだけたくさんの展望台をまわる予定です。
慶良間海峡展望所から見えるのは、同じくダイビングのメッカ、座間味島と阿賀島。
ハブには遭遇したくない。
阿波連ビーチ
港のある渡嘉敷集落と並んで大きな集落の阿波連にある、阿波連ビーチです。
ちょっと高台から阿波連ビーチを眺めます。
裏ヶ丘展望台
阿波連からさらに南へ車を走らせ、裏ヶ丘展望台へやってきました。
渡嘉敷島は台風の襲来が多く、海岸部ではあまり背の高い木は育たないそうですね。よく見られるのはリュウキュウマツと呼ばれる背の低い松。
阿波連岬園地
渡嘉敷島の一番南の端の方へやってきました。園地というだけあって公園のようになっています。
慶良間諸島は2014年に国立公園に指定。比較的新しい国立公園ですね。
駐車場から蝉が鳴く樹林帯を抜け、さらに南へと散策します。
東側は岩場の多いちょっと荒涼とした風景。
いっぽう西側も東尋坊も真っ青の断崖絶壁。落ちたら死。先に続く陸地は渡嘉敷島に隣接するウン島。渡嘉敷島と陸続きではありません。
見花原遊歩道
見花原遊歩道では、山の中を走る林道沿いにある駐車場から、海岸沿いの展望台まで片道20分程歩きます。
樹林帯を5分ほど歩くと見晴らしのいい場所に出ます。
川に架かる橋を渡って・・・
岩場の道を歩きます。危険ではないですがサンダルなんかはやめておいたほうがいいでしょう。
11月ですがかなり日差しが強烈。首の後ろが焼かれるようです。タオルを持って首に巻くか、襟付きの服を着てきたら良かった。あと途中に水場は無いので、水分は持って行った方がいいでしょう。
高さ50mほどはありそうな崖の上の展望所にやってきました。
見える島は渡嘉敷島の東方にある前島。ウィキペディアによると人口1人になっていましたが本当? もしそうだとしたら究極の孤独生活では・・・
崖の下は誰もいないビーチと、透明度の高い海です。
アラン展望台
見花原展望所から車で林道を走ること約15分、アラン展望所です。東屋があります。位置的にはだいぶ渡嘉敷港まで戻ってきています。
港の見える丘展望台
アラン展望台から500mほど。港の見える丘展望台にやってきました。
港に停泊するフェリーとかしきが見えます。
フェリーとかしきは高速船の1時間あと、10時に泊港を出て11時10分に渡嘉敷到着。そして15時半に泊に向けて出港します。それに合わせて私たちも港に戻ってレンタカーを返却しないといけません。
渡嘉敷村役場も見えます。
白玉之塔
港でアイスクリームとお茶を仕入れて軽い昼食。
朝にビッグサイズのちゃんぽんを食べたのでこれで十分。この時点で午後1時過ぎ、あまり時間がないのですぐレンタカーを走らせます。
港の北側にある白玉之塔。第二次世界大戦の戦没者を祀ります。沖縄決戦はこの慶良間諸島から始まりました。塔の後ろ側に戦没者の銘が刻まれています。
白玉之塔の横にある説明版。沖縄戦で渡嘉敷村では本土からの将兵を含めて594名がなくなったようです。
その中で一般住民は380名。年代別の人数を見ていると子供の数がとても多い。
集団自決跡地
380名のうち、329名は集団自決で亡くなりました。白玉之塔から山をさらに上り、現在は国立青少年の家の敷地内にその場所があります。
この門は青少年の家にハブが侵入することを防ぐための物。この門をあけてお参りします。国立青少年の家の敷地はすべてコンクリート製の兵で囲まれ、ところどころある侵入ルートにはこのようなゲートが設けられています。
合掌。
この碑を含め奥の森の中一帯が集団自決地です。
このうっそうとした森の中。
ハブも怖いですが、畏れ多くてこれ以上は前進できません。
左の説明板には集団自決の方法や、その様子が書かれていますが、なかなか凄惨で涙なしには読めません。発見した米兵が現場のあまりのむごさに言葉を失ったとか・・・
映画やドラマで描かれる戦争は、特攻隊に代表されるように、お国や家族の為に死んでいくヒーローものみたいになって美化されていますが、それはそれとして、民間人がなぜ329人も集団自決を選択しないといけないような状態になったのか、よく考える必要があると感じました。
戦時中の情報が少ない中で、米兵がいかに鬼畜かということを、日本軍から説明されていたんですかね。そして抵抗する手段もなくなり、敵の手にかかるようなら、死を選択した方がましという結論にいたったのでしょうか。(説明板にはそのような背景が書かれていました)
※ 集団自決
狭小なる沖縄周辺の離島において、米軍が上陸直前又は上陸直後に警備隊長は日頃の計画に基づいて島民を一箇所に集合を命じ「住民は男、女老若を問わず軍と共に行動し、いやしくも敵に降伏することなく各自所持する手榴弾を以て対抗できる処までは対抗し癒々と言う時にはいさぎよく死に花を咲かせ」と自決命令を下したために住民はその命をそのまま信じ集団自決をなしたるものである。
引用元:
集団自決に関しては、研究者の間でも日本軍の関与の程度について議論はあるようですが、直接ではないとしても全く関与が無いとするのは難しいでしょうね。
集団自決は広島・長崎の原爆と同じように、日本人として当然知っておくべき歴史でしょうね。
東展望台
集団自決の地のすぐ近くに東展望台があります。
集団自決があった75年前の悲しい歴史と、海の美しさとのギャップの大きさに、何とも言えない気持ちになりますね。
無料の望遠鏡がありましたが、大きな蜂が数匹とまっていて使用できませんでした。💦
こちらは沖縄本島方面の眺望ですが、霞んでいて残念ながら沖縄本島はよく見えませんでした。
西展望台
同じ国立青少年の家の敷地内にある西展望台です。
ここが渡嘉敷島で最も高い場所で標高227mになります。
座間味島方面です。
渡嘉志久ビーチ
展望台ばかりでビーチにまったく降り立っていないので、島の中部にある渡嘉志久ビーチにやってきました。先客がいますね。
どこまでも穏やかな海。
透明度も高い。
天気は途中までよかったのですが・・・
突然東側の空が黒くなり、このあとスコールがやってきました。
照山展望台
雨が止んだので、レンタカーを返す前に照山展望台へ行ってみます。阿波連と渡嘉敷港を結ぶメイン道路からそれたわき道の途中に登り口があります。村の水道施設のタンク?の前に車を止めました。
展望台まで250mほどの道のりですが、急な階段をかなり登ります。雨が降ったのでハブが出てこなければいいなあと思っていましたが・・・
行く手に現れたのは割りばしくらいの大きさ、20㎝超はあろうかという巨大なムカデ。こんな巨大なムカデ見たことない。ヤンバルオオムカデ? タイワンオオムカデ? さすが沖縄の大自然。
(すみません、こんな写真掲載しまして💦)
山のてっぺんにある照山展望台。
見える砂浜はさっきまでいた渡嘉志久ビーチ。
阿波連の集落とその先に続く阿波連岬が見えます。
帰りのフェリーとかしき
3時5分過ぎに無事レンタカー返却。営業所に戻ってきたらちょうど朝の若いお兄さんもやってきたところでした。港まで歩いても3分もかからない距離ですが、送迎してもらいます。
フェリーとかしきは全長66.89m、総トン数499トン、乗車定員450名。そんなに大きなフェリーではありません。
でもフェリーには島にやってきていたピンク色した乳がん検診車のバスが乗り込んでいました。またヤマト運輸のトラックも。離島はいろいろ大変ですね。
本来なら高速船は2往復で、午後4時に渡嘉敷港をでる第2便があるのですが、ちょうどこの日の第2便から高速船は12月23日までドック入りのため運休です。
そのためこのフェリーがしばらく本島と渡嘉敷を結ぶ唯一の船となります。
11月とは思えない暖かさだったので、船室には入らず外のデッキで那覇まで船旅を楽しみます。冬はザトウクジラが現れることもある海域だそうですが、そんな幸運には恵まれず。
遠く離れていく渡嘉敷島。さようなら渡嘉敷、さようなら慶良間。
前方に那覇の町が見えてきました。
那覇空港の横を通過し、泊港に入港していきます。
泊大橋の下をくぐります。
まもなく着岸。甲板員があわただしく動きます。
午後4時40分に泊港の到着。70分の船旅でした。朝9時に港を出たので、ここまで約7時間40分の渡嘉敷島への旅でしたが、これで無事に終了です。