帯広のばんえい競馬は一度は生で見てみたいですね。一昨年、帯広を訪れた際は、旅行日程の都合により一日違いで見ることができませんでした。
ご存知の方も多いと思いますが、そのばんえい競馬がニュースで話題になっています。
障害で立ち往生する馬の顔を騎手が蹴り上げた映像がSNSで拡散し、ばんえい競馬を管轄する帯広市役所に激しい苦情が1500件殺到したそうです。
うーん。
確かに映像だけ見ていると馬がかわいそうに見えますが、ばんえい競馬にかかわらず、競馬そのものが動物虐待的な要素はあります。
おそらく普段からこういう行為はある程度あるのだろうと推測されます。
そして今回はレースではなく能力試験で発生した行為とのこと。つまりレースに出るに値する能力があるかどうかを計る最中で起きた出来事です。
能力試験はいちおう一般公開されているようですが、メインの観客は生産者だったり競馬関係者のようです。それもあって騎手もちょっと衝動をコントロールできなかったんですかね。
馬は能力試験で不合格になれば肥育市場行き、つまりお肉になるようです。
それも1歳程度で肥育業者に渡れば生産者にも利益が残りますが、2歳あたりでばんえい競馬の出走馬にもなれず、肥育市場にわたるとなると、それまでの世話代もあるので生産者は大赤字だそうですね。
よって生産者をはじめ関係者にとっては馬の能力試験はかなり熱が入ってしまうようです。愛馬がお肉にならないように、このような蹴るという行為に至ったとしても、あながちわからないでもありません。
※ばんえい競馬の能力試験について詳しくはこちら
現在はいくらでも一部分だけの映像が切り取られて拡散、炎上します。
切り取られた映像だけ見て、ただやみくもに動物がかわいそう!と部外者がヒステリックに苦情電話するのはいかがなものですかね。
そして💩マスコミは報道機関であるわけですから、お肉になるかもしれない背景を含め、もう少し大局的に報道しないといけないですよね。
動物をいじめてはいけないというのは正論ですが、野生馬がほとんどいない現在、馬も人間がいないと生きていけません。人間と馬の関わりは深いです。
おそらくこの蹴られた馬もふだんは生産農家で大きく立派に育つように、かわいがって世話されてきたんじゃないでしょうか。
どうせ肉になるなら、その前に競馬に出場してひと花咲かして欲しいと思うのは親心でしょう。
ばんえい競馬業界からしてみれば、「ばんえい競馬も見たことのない道外に住んでいるヤツにあれこれ言われたくないわ!」という思いは内心あるでしょう。
馬を蹴った騎手は戒告処分を受けましたが、おそらく事態を鎮静化するための形だけの処分でしょう。ただ、これからはちょっと注意しないといけないな、という危機感をばんえい競馬業界は持ったと思います。
でも動物愛護は難しいですね。犬猫を捨てるなというのは動物愛護だと思いますが、家畜や食用レベル、動物実験レベルになると、いろいろ複雑な事情がありますもんね。
ブロイラーが狭苦しいゲージに入れられかわいそうだから広い場所で飼育しろだとか。クジラを食べるなとか。
とりあえず私はカワイイかわいそうの動物愛護より、人間のために命を失うことになった動物のお肉は、可能な限り無駄にすることなく、全部食べるのが今できる真の動物愛護だと思います。