名古屋駅から徒歩15分、中村区則武にある㈱ノリタケカンパニーリミテド。(以降ノリタケ)
高級洋食器製造販売で有名な会社です。
ノリタケの森
本社周辺は公園として整備され「ノリタケの森」と名付けられています。
緑の中にウェルカムセンター、ミュージアム、ギャラリー、レストラン、カフェ(現在休業中)などがあります。
赤レンガ建物
噴水広場です。
かつての工場の赤レンガ建物が今も残ります。
ここだけ切り取ると外国のようです。
敷地内にある1940年にノリタケにより建立された日陶神社。トヨタ自動車もそうですが、たまに神社を所有する企業を見かけます。やはり安全第一ということで製造業に多いかもしれません。
敷地の一部は塀で囲われイオンモールが建設中でした。イオンモール名古屋ノリタケガーデンとしてこの秋開業予定だそうです。名古屋駅から最も近いイオンモールになります。
ウェルカムセンター
ノリタケの森内のウェルカムセンターです。会社の歴史と製品群を紹介するショールーム的な建物で入場無料です。
ノリタケの歴史
内部です。
株式会社ノリタケカンパニーリミテド(英: Noritake Co., Ltd.)は、愛知県名古屋市西区に本社・工場を置く世界最大級の高級陶磁器・砥石メーカーである。環境エンジニアリング事業も手がけている。「ノリタケ(則武)」は、創業地である愛知県愛知郡鷹場村大字則武(現・名古屋市中村区則武)という地名に因むものである。
本社があった名古屋市西区則武にはノリタケの企業文化施設「ノリタケの森」が開設、一般公開され、近年の名古屋政財界が提唱する「産業文化観光」の拠点のひとつとなっている。
ノリタケの歴史を紹介する7分間のビデオを見ました。
ノリタケは森村市左衛門によって1904年、日本陶器合名会社として創業されました。
日本で初めて高級洋食器を製造、明治から戦前にかけて欧米に大量に輸出され、現地で絶大な人気を誇ったそうです。
そして洋食器、つまり磁器(セラミック)を扱うことから派生した、様々な新規事業を生み出していくこととなりました。
森村グループ
ノリタケの新規事業から、衛生陶器製造のTOTO、碍子製造No.1の日本ガイシ、車のスパークプラグの日本特殊陶業(NGK)といった会社が誕生しました。
けっこう錚々たる企業が並ぶと思います。
これらの会社はノリタケを含め、森村グループと呼ばれます。
名古屋の財界で大きな力を持っています。
主力製品の砥石類
洋食器で有名なノリタケですが、今は砥石や研削・切削工具やセラミック関連製品が主力でしょう。砥石の砥粒も元をただせばセラミックですね。
(現在洋食器の売上比率は15%ほど)
船舶用エンジンのクランク軸を研削する日本最大の砥石。大きさは私の背丈くらい。
製鉄所で鋼管をカットするための切断砥石。こちらも巨大です。
こちらはディスクグラインダー用の切断砥石やカッター類です。私もホームセンター時代に店頭で販売しておりました。
10枚で数百円といった大陸製の安い商品もありますが、切れ味と耐久性でノリタケ製は違うと思います。
いろいろなシーンで使用される砥石群。愛知県は自動車産業が盛んですが、研削・研磨の分野で縁の下で支えてきたのがノリタケの商品。
ノリタケミュージアム
洋食器類は隣りにあるノリタケミュージアムで鑑賞することができます。入館料は大人500円。
ミュージアムは4階建てになっていて一階と二階はクラフトセンターで、実際の製造工程を見学、学ぶことができます。
ガラス越しに職人さんが絵付けなどの作業を行っており、写真撮影は不可です。製造のためのいろいろな機械があり、磁器を焼成する大きなガス窯もありました。実際、クラフトセンターはボーンチャイナの製造現場だそうです。
※チャイナは英語で磁器そのものを意味します。ボーンは bornではなくbone で骨の意味です。ボーンチャイナは原料に牛の骨灰を加えた製品で、白さが際立ち、光の透過性を持つのが特徴です。
クラフトセンター・ノリタケミュージアム - 文化と出会い、森に憩う。 ノリタケの森
3階、4階はノリタケのオールドノリタケを中心に、これまでの製品の数々を見ることができます。ここからは写真撮影可です。
オールドノリタケとは第2次世界大戦までに作られた製品をいいます。コレクターも多いそう。
今でこそノリタケブランドは復活していますが、戦争で生産をやめていた時期があり戦後は一時期、戦前までの製品に比べ品質が低下し、技術を取り戻すのに大変だったそうです。
食卓をイメージしたディスプレイ。
コーヒーカップとソーサーの数々。値段はついていません。歴史資料であり売り物ではないということなのでしょう。
これは何に使うのでしょうか? 眺めて楽しむものでしょうか?
蓋がついた象ですが中に何を入れるのでしょう?
このオウムは胡椒入れだそうです。洒落てますね。
ノリタケらしい金の縁取りと繊細な絵付けの食器類。
普通に画家が描いた絵のようです。
こちらは戦前、アメリカで食器を販売するときに、営業が顧客に見せた見本帳です。カタログみたいなもので、顧客は現物を見ずに見本帳を見て注文したそうです。
創業時から現代にいたるまでの数々のディナープレート類。
見たことある皿
ちなみに私の家で一番使われている皿もここに飾られていました。(^^)/
BOULDER RIDGE (1987年製)という商品でした。ノリタケの製品はシリーズごとにすべて英名がついているようです。
我が家のノリタケは結婚祝いで妻の友人から頂いたものだそうです。
かれこれ22年使用しているわけですね。割れない限りずっと使うのでしょう。
1時間ほどかけて見学しました。2回目の訪問で、前回は20年前くらいですかね。
なんかノリタケの会社紹介みたいな記事になってしまいましたw