昨日の東洋経済オンラインの新幹線に関する記事です。
デービッド・アトキンソンという人が外国人の目線でサービスという観点から新幹線を分析した記事です。
著者は新幹線車内にフリーWiFiがないことを指摘しています。
そのうえでJR東海のお仕着せの姿勢、プロダクトアウトに言及しています。
私には、JR東海という企業が「つくり手がいいと思うものをつくって消費者へ提供する」という、プロダクトアウトの発想が強すぎるからとしか思えません。要するに、自分たちが誇りに思っているスピードや正確性などという基礎的な技術は高度に磨き上げていますが、新幹線のユーザーの快適さなどは軽視しているのです。
世界一の新幹線をつくれる会社が、フリーWi-Fiの整備くらい、できないはずがありません。要は優先順位が低いだけです。
JR東海の新幹線は、提供しているサービスの質と比べて価格設定が極めて高い印象です。これは「競争がないこと」の反映のように思えてなりません。最高速度やかかる時間などは確かにずば抜けているものがありますが、ユーザー目線にたてば、「何キロ出た、何分速く大阪に着く」ということと同じくらい、移動の間の快適さ、利便性が重要なのは言うまでもありません。
私も時々海外に出かけますが、WiFiの有無は外国人旅行者にとって死活問題ですね。確かに。
また価格設定が極めて高いという意見には同感です。
私も旅行が好きですがほとんど新幹線を利用していません。自腹で払うにはちょっと高すぎるんです。例えば名古屋―東京なら現在の約半額の¥5000くらいなら出せる金額です。
まあこれだと東京―名古屋間の在来線の普通旅客運賃くらいになってしまうのですが、東京行くのに1万円札が飛んでいくのはいただけません。
もちろん東京-名古屋間の新幹線が5000円なら誰も高速バスに乗らなくなってしまうでしょうが、それにしても1万円は高いです。
ということで私が東京方面に行くときは青春18きっぷシーズンにあわせて普通列車の乗り継ぎで旅行の計画を立てるか、それ以外のシーズンなら高速バスという選択になります。
私にとっては時間がかかることよりお金が消えていくことのほうが苦痛です。
ビジネスマン向けの自己啓発本なら「時間が最も大事な資源、時間をお金で買いなさい」とありますが、私は時間でお金を買う(節約する)派です。
要はその時間を楽しむことができたら、別に時間をかけることによりお金を買ってもいいのだと思います。
海外旅行なら直行便より経由便、国内旅行なら新幹線より普通列車、タクシーより徒歩です。
その道程を途中下車したり寄り道しながら楽しめばいいのです。
JR東海はリニア新幹線の建設を進めています。リニア新幹線も夢があっていいのですが、セミリタイア男には東京まで1時間で行かないといけない仕事や急用は無いです。
たぶん開業の2030年、一回乗ってリニアってこんなものかと体験すれば二度と乗ることはないと思います。
けっこうそういう人が多いのではないでしょうか。運賃がどの程度になるのかはまだわかりませんが、会社の経費なら乗るけれども、はたして自腹でどれだけの人が乗るのでしょうか?
JR東海や鉄道総研というのは技術者意識が強すぎて車両などの(新幹線のみ)ハードのレベルを高くしようとしているのは明らかで、確かに記事にあるように顧客目線での取り組みは少ないように感じます。
在来線の駅の設備なんかはJR東日本や西日本に比べると貧弱だと思います。
トイレなんか昭和のままのところも多いです。
在来線車両もJR東日本や西日本に比べると更新は非常に遅れている印象です。