松島を観光した後は太平洋フェリーで名古屋に帰ります。実はこのフェリーの船旅が今回の最大の楽しみであったりします。
フェリーターミナルへ
仙石線で松島海岸駅から中野栄駅に移動し、路線バスで仙台港フェリーターミナルビルに向かいます。バス待ちの時間を利用して駅前のファミリーマートのイートインコーナーで昼食にします。
途中三井アウトレットなどのバス停に停車し、15分ほどでフェリーのターミナルビルに到着です。バスの運賃は160円でした。ターミナルビルはそんなに大きくはありません。
お得な早割を利用しました
窓口で乗船手続きをします。今回は一等船室を早割で予約しました。通常仙台―名古屋間一人14,000円のところ、半額で7,000円でした。早割は大変人気があるので乗船3か月前の予約開始と同時に予約した方がいいですね。乗船手続きには予約番号と予約の際に支払いしたクレジットカードが必要です。
運行会社は出航1時間前までの乗船手続きを勧めています。バスはちょうどそれくらいの時間にターミナルビルに着くよう運行されていました。
窓口で乗船券と船室のカードキーを受け取ります。乗船券には下船用の券もついていて、下船の際はスタッフに渡すことになっています。紛失はなるべくしないほうがいいでしょう。
いよいよ乗船です
乗船する人で待合室は混み合ってきました。家族連れが多いです。トラックの運転手などはたぶん車の中で待機しているのでしょうね。待合室には簡単な売店兼お土産物コーナー兼軽食コーナーがあり、うどんなどを食べることもできます。
いよいよ乗船です。飛行機のような長いタラップを歩きます。乗船口は7階建てになっている船の5階部分になります。1~4階は車両用の甲板になります。
今回乗船する「きそ」です。かっこいいです。でかいです。乗り物好きにはたまりません。テンション上がります。
ちなみに「きそ」の諸元ですが総トン数15,762トン、全長 199.9メートル、全幅 27.0メートル、最大速力 26.50ノット(時速49㎞) 、最大出力32,640馬力 、旅客777名、乗用車 100台、エレベータ 4基になります。
私たちの船室は右上の1等インサイドになります。窓が海側を向いていません。それ以外は1等アウトサイドと同じだと思います。若干、そのぶん安いです。
豪華な船内と私たちの船室
ホテルのような吹き抜けのエントランス。またまたテンション上がります。
私たちの客室は633号でしたので6階部分の前方になります。廊下の奥の方です。
これが一等インサイドの客室です。今回の旅で一番広い部屋でした。ベッドがツインなのはうれしいですね。3日間、二人でセミダブルベッドひとつでしたから、これは快適です。
カーテンを開けると窓があるのですが、曇りガラスのはめ殺し窓で外は見えません。窓の外はどうなっているのかわかりませんが窓があるだけでも閉塞感はありません。
こちらは室内のトイレ&シャワールーム。バスタブはありません。バスタブはセミスイート以上にはつくようです。そのかわり船内には誰でも入れる男女展望大浴場があります。トイレにウォッシュレットはついていませんが、各階のロビー横のトイレはウォッシュレット付きなので、そちらを利用すれば良いでしょう。
その他備品は公式HPより、冷蔵庫・BSデジタル放送受信テレビ・ナイトウェア・サンダル・タオル・ヘアードライヤー・洗面用具・ティーセット・カードキー対応となっています。
さっそく船内を散策します。ソファなどが置かれたスペースが各所にあります。ちなみにWiFiは事前申込制の有料WiFi(980円)がありますが、私は利用しませんでした。デジタルデトックスです。
しかし実際はフェリー航路はある程度陸地に沿ってますので、ところどころ電波が入ります。航路に対して陸が出っ張っているところ、福島県沖、犬吠埼沖、野島崎沖、御前崎沖、あとは伊勢湾内はけっこう電波が入りネットができます。
逆に茨城県沖や野島崎ー石廊崎間、石廊崎ー御前崎間などは陸地から大きく離れるので無理だと思います。ま、野島崎ー御前崎にかけてはほぼ夜の12時から朝5時くらいになりますので、睡眠中でネットは使わないと思いますが・・
船内を紹介します
こちらはマーメイドクラブという軽食、喫茶コーナーです。
自動販売機もアルコールからソフトドリンクまでたくさんあります。
ビールの値段は特に船だから高いというわけではありません。クリアアサヒの350ml缶で180円です。
おつまみやお菓子、お土産を売っているショップもあります。なお売店の営業時間は仙台→名古屋間では 12:00~13:00、 17:00~18:00、 21:00~22:00 、翌8:30~10:00と細かく区切られています。
船内のクルーはマルチタスクだそうで、売店の人や甲板員がレストランを手伝ったりしています。その影響で営業時間が細かく管理されているのだと思います。
ちなみに現在は船内でクレジットカードの使用はできないようです。でも過去には使えたようですね。普段カード派の方はある程度現金を持ち合わせておいたほうがいいでしょう。
5階にはゲームコーナーがあります。ちなみにカラオケルームというのもありました。
ゲームコーナーの横にはマッサージ機もあります。15分300円です。
こちらも5階にある展望大浴場です。寝る前に入浴しましたが、洗い場が15人分くらいあり、サウナもあってなかなかの広さでした。お風呂は入港の30分前まで、深夜でも利用可能です。展望を楽しむなら夕食前までか、翌朝がいいでしょうね。
年配の人は夕食前に入る傾向があるようですので、そこが混み具合の最初のピーク、あとは夜9時から10時くらいが2回目のピークになると思います。そこを外せば気持ちよく入れるのではないでしょうか。
6階にはシアターがあって、この日は子供向けの映画が上映されていました。子供連れが多かったので、ちょうどよかったのではないでしょうか。ただ版権の関係か、ディズニーとかではないんですね。(笑)
いよいよ出航です
午後12時50分、いよいよ仙台港を出航です。
3万2千馬力のディーゼルエンジンが振動しはじめます。
岸壁から徐々に離れます。
港内で180度方向転換し、太平洋に向かって進みます。
仙台港を出ました。右に舵をとります。
太平洋上を南下します
午後2時半ごろ、同じ太平洋フェリー所属の仙台・苫小牧行の「いしかり」と洋上ですれ違います。船内放送で知らせてくれるので、多くの人がデッキにでてきます。
すれ違い時はお互い手を振りあいます。
このあとエントランスロビーではバンドの生演奏が行われました。ビートルズからはじまって子供が多かったのでドラえもんなど45分くらいの演奏でした。
午後4時頃、かすかに見える福島第1原子力発電所沖を通過します。電波が入るのでグーグルマップで位置を確認することができます。
遠くて写真には取れなかったのですが、船の進路左側には風力発電のような謎の海上構造物があり、福島第一原発関連の何かかと思いまいした。船はその海上構造物と陸との間を航行します。
その構造物が何かすごく気になるのでネットで調べましたが、結局わかりませんでした。
こちらは福島第2原子力発電所です。さすがに原発沖通過中という案内放送は入りません。事故発生後は放射能の影響がないようにもっと沖合を航行していたんでしょうかね?
そろそろ夕食です
茨城県沖にやってくるとが日が暮れてきました。携帯の電波は入らなくなりました。
夕方6時から6階のレストラン「タヒチ」で夜のブッフェがはじまります。
ブッフェの時間は8時までとなります。レストランは広く席数も多いですが、窓側の展望のいい席を確保しようとすると早めにレストランに行って並んだほうがいいです。
夜のブッフェは大人2,000円で、入口で現金で支払いました。味は最高というわけではないですが、船の上を考えるとまずまずです。大あさりが人気でした。個人的には生野菜を別にすれば、ちょっと色が茶色いものが多いかなと思います。
フルーツやデザート、カップアイス、かき氷もありました。スイカは甘くておいしかったです。マンゴーも冷凍物の解凍だとは思いますがおいしかったです。
私はデザートにシュークリームを食べてお腹にどーんときました。しばらく客室のベッドで動けないくらい食べてしまいました。(笑)
またレストラン「タヒチ」で夕食をとらずに、マーメイドクラブでカレーライスを食べている人も多く見かけました。
そのほか船外からの食料品の持ち込みは自由ですので、パックの寿司を食べたり給湯室でインスタントラーメンにお湯を入れて食べている人もちらほらいました。このあたりは人それぞれです。
私も翌朝は事前にコンビニで買ったパンを食べましたが、せっかくの船旅なので1回くらいはレストランを利用しようと思いました。
揺れについて
船旅の心配といえば揺れとそれにともなう船酔いだと思います。太平洋フェリーは1万5千トン超の大きな船ですが、瀬戸内航路と違って外洋を航行するので、それなりに波の影響はあると思います。
私が乗船した時は幸い近くに台風は無く、多少の揺れはありましたが気になるものではありませんでした。ベッドの向きが進行方向に対して垂直なのですが、ほんの少しですが交互に頭と足を持ち上げられて落ちるような揺れはありました。あとはエンジンにともなうブルブルブルという細かな振動はあります。
廊下を歩くと船が揺れているせいか、宇宙空間を歩いているような感じもしました。しかしもともと船酔いはしない方なので平気でした。高速バスに比べれば快適さは段違いです。
ただ敏感な人酔い止めの薬を持って行った方がいいかもしれません。また台風が接近中の時はこの限りではないと思います。