妻が東宝シネマズの試写会(舞台挨拶無し)に応募したところ、またまた大当たり。
夜18時半からの開演ということで、バイトを30分早く切り上げ妻と一緒に見に行ってきました。
以前、別の映画を見たときに、この作品の予告編を見たのですが、ちょっと嫌な予感がしていました。
その予感は的中しました。
鑑賞したのは6月3日公開のこちらの映画です。
太陽のボレロという映画で、監督・脚本は水谷豊。主演は檀れい。
水谷豊と言えば「相棒」、テレビ朝日ですね。映画は「太陽とボレロ製作実行委員会」が制作したようですが、どーもテレビ朝日がとっぷり関わっているようです。
やはり相棒で貢献度の高い水谷豊に忖度しているんじゃないでしょうか。きっと水谷豊が相棒続けるかわりに、自分で映画をつくりたいといったのでしょう。
映画にテレビ局が絡むとろくなことがない。
あらすじ
ストーリーは地方の落ち目のオーケストラが資金不足に陥り解散することになりました。そのラストコンサートを開催するにあたって、バラバラなメンバーたちをなんとかまとめようと奮闘する檀れい扮する女性社長の活躍を追っています。
でも細部が雑すぎて、主人公に全く感情移入できませんでした。
金返せ!(そもそも払っていないか😅
)
キャスティング
まず主演の檀れいですが、アパレル業を父親から承継した女社長の役ですが、あまりにも檀れいのイメージにぴったりすぎて、ちょっとセレブ感が鼻につきます。
努力し苦悩する主人公のイメージとはちょっとかけ離れた感じ。
別に檀れいが悪いわけではなく、こういうキャラクター設定に檀れいをキャスティングした製作側が悪い。🙄
市役所の場面
そして資金調達のため、公金による補助を求めて市役所を訪れる檀れい女社長ですが、カンニング竹山扮する埒のあかない市役所担当ににブチギレます。
「あなたはロボットですか!?🤖」
そもそもあんなやる気のないお役所仕事の公務員は今どきいませんね。リアリティがなさすぎておかしい。
そしてそのような込み入った話を、人通りの多い市役所内の通路にポンと置かれた机で行いますかね。不自然。
また、自治体の補助を求めに行くのに、あんな高飛車な人がいるでしょうか。
金策に苦労する主人公を描きたいのでしょうが、そもそもが御殿のような家に住んで、とっかえひっかえ高そうな服を着て、お手伝いさんまでいるのに、資産の一部を売却すればいいじゃないですかと言いたい。
脚本は「市も昨今、財政が厳しくて文化振興の予算が削られてるんですよ」
檀れい「そうなんですか・・」と落胆して帰る、とすべきだった。
あそこでいきなりヒステリーを起こす主人公を応援したいという気持ちが起こらない。
犯罪者を不問にする
そして田口浩正演じる、ちょっと頭のおかしい団員がオーケストラ解散にブチギレて、これまたオーケストラのスポンサーである、中古車センターの商品の車のフロントガラスを3台分、夜間に破壊してしまいます。
現場に特徴的な差し歯が残っていたので、あえなく犯人は突きとめられてしまいます。
しかし檀れいと同じくオーケストラのスポンサーである中古車屋の男性社長は警察に被害届を出さず田口浩正を不問とします。
おいおい。😓
無駄な母との親子愛
檀れいの母親役を檀ふみが演じます。ところどころ二人の絡みが出てきて、親子愛をアピールするのですが、オーケストラとは全く関係のないエピソード。これっている?
W檀で話題性を狙ったのか?
反目する二人
団員の中で、河合我聞演じる役と原田龍二が演じる役が相性が悪く、いつもケンカしているのですが、音楽と関係ないことでケンカしています。見ていてケンカしている理由、背景がわかりません。
映画の後半で分かるのですが、この二人は腹違いの息子どうしだからいがみ合っているようです。
なんのこった、音楽の映画なので、音楽性の違いでケンカするのかと思ったらそんなことなかった。
西本智実氏登場
水谷豊演じるオーケストラの指揮者が病に倒れ、ラストコンサートの指揮を誰がするかでもめますが、ここでカリスマ指揮者が登場します。
世界的な女性指揮者の西本智実氏です。本物が登場します。彼女が指揮することで団員たちは大喜び。
ただ出演の条件なのか、西本氏の台詞はありません。ただ微笑みを浮かべて仁王立ちしているだけ。(指揮するシーンはあります)
衝撃的すぎるラスト
西本氏はしゃべらないので、西本たちと団員たちが交流、一緒に練習するシーンもありません。
檀れいと檀ふみの親子愛や車を壊すシーンなどどうでもいいから、西本氏の指導を受けて、目の色変えて練習し成長する団員の姿を見たかった。
西本氏が演技できないのなら、俳優さん使って架空のカリスマ指揮者を作り上げた方がまだよかった。西本氏の無駄遣い。
そして西本氏の指揮が決定して、いきなりラストコンサート。
ラストコンサートは西本氏率いるイルミナートフィルハーモニーオーケストラ(おそらくホンモノ)と団員たちから選抜した数名とのジョイントコンサート。
ラストコンサートがジョイントで良いのか。
それもほぼイルミナートフィルハーモニーオーケストラのメンバーたち。
ケンカばかりしていた河合我聞と原田龍二、車を破壊した田口浩正も参加していません。
なんのこっちゃ。全員参加じゃないのか。それなら車壊した田口浩正をわざわざ団に所属させたままにしなかったでもよかったのでは。
映画は題名の通り、ラヴェルのボレロを演奏して終了。なんのこっちゃ。
そもそも解散が決まっているオーケストラが努力の甲斐あって見事に復活を遂げるなら良いストーリーだと思いますが、棚ぼたみたいに有名指揮者を迎えてラストコンサートして終了なんて、ただの関係者の自己満足ストーリーじゃないか。
ここまで2時間13分使ってこのエンディングか。衝撃的すぎる。( ゚Д゚)
まとめ
音楽や交響楽団の裏側がテーマの映画かと思ったら、ムダに有名俳優を集めてのただのドタバタ学芸会だった。
原作があっての映画ではなく、この企画の為に脚本が作られたのでしょう。脚本が支離滅裂で💩レベル。よって脚本家としての水谷豊が💩。
演じるのと制作するのとはやはり違うのでしょう。水谷豊がこのまま監督業、脚本家業を続けるのは、彼の演者としてのキャリアも損ねてしまうことになると思う。
私は洋画の方が好きですが、その理由は邦画はこのような💩映画がかなりの確率であるから。
テレビ局主導の話題作づくりではなく、才能があって真面目に映画を作っている方にお金が回るようにしないといけないし、そういう映画をもっと評価しないといけない。