バイトしていると突然、知らない年寄り男性から1本の電話が入りました。
「あんたとこ(私の仕事先)行きたいけど駅からどういったらいいんや?」
「えーとですね、改札口を降りたら北口のほうへ出ていただいて・・・」
「北口、南口といわれてもわからへん。おれ、南極から来たんや。右とか左とか言ってもらわなあかんわな。」
私は心の中で次のように考えました。
おもろいこと言うジジイやな・・・。でも普通なら北や南くらい方角分かるやろ。それに駅には案内の看板もたくさんあるから、探せばどっちが北口か南口かわかると思うけどな・・・ でもこういう頭の悪そうなジジイは訳わからんことで簡単にブちぎれそうやから用心せんといかんな。今流行りのキレるジジイに違いない。
私はできるだけ丁寧に
「改札口を出ると右側に進みます。すると左手に階段があるので下りてください・・・」
中略
「するとタクシー乗り場があると思います。タクシー乗り場とコンビニの間を進んでください」
「あー、あー、タクシー乗り場・・、あ、これやな」
中略
「そして〇〇銀行のビルと駐輪場の間をまっすぐ進んでください」
「あー、あー、おう、これやな・・」
中略
「すると突き当りに大きなビルがある思います。そのビルの1階に入っています。」
「おう、これやな。よっしゃ、わかったで!。長時間、ありがとう。すまんかったな」
「いえいえ、どういたしまして。ではお待ちしています。お気をつけてお越しください」
と言って電話を切りました。
その後、その電話の主と思われる人物は現れませんでした。あれっ、案内の仕方がまずかった?