藤田孝典著、「下流老人」「続・下流老人」と同時に「下流中年」という本も図書館で借りました。
この本は藤田氏ではなく雨宮処凛ほか12人の共著です。「下流老人」シリーズの方が発行が古く、下流中年の方が柳の下のドジョウ狙いのような気もしないでもないです。('ω')
しかし、下流老人も問題ですが、この本にある通り、より深刻なのは下流化している中年かもしれません。
本著では主に就職氷河期世代を中心に、現代の”神”とも言える企業に選ばれなかった12人のルポを中心に、下流中年の問題点に斬り込んでいます。
下流老人は転落して成るもので、気をつければ転落を防ぐことができるかもしれませんが、下流中年は最初から転落しています。注意しようがありません。
下流中年のマス層である団塊ジュニア世代が今後、下流老人にスライドしていきます。
読むとやりきれない気持ちになりますが、解決法は難しいですね。実際、この本にも解決策は示されていません。
日本のセーフティネットの貧弱さもありますし、グローバル化に伴う産業構造の変化および非正規雇用の増加、地域社会の崩壊、核家族化など様々な要因が結びついてますので、非常に解決が難しい問題です。
ルポに登場する人たちは、本人たちも自覚はしていますがコミュニケーションが苦手で、なかなか上手く立ち回れない人が多いですかね。
しかしみんながみんなコミュニケーションが得意というわけではないので責められないと思います。
おそらく本人たちがいくら悩んでも解決はできないので、何らかの外部からのサポートは必要なのだと感じます。
やはりシャイで真面目な人、一人で問題を抱え込む人ほど泥沼にはまりやすいのかなと思います。
今の頼りない日本政府の下では、おそらく社会構造はなかなか改善しないと思われますので、自己防衛のひとつとして気持ちだけは明るくもちたいものです。
その点、貧乏でも趣味を通じて友人が多かったり、地域社会と結びつきがあると比較的幸せに生きていくことができるのかなと思いました。
下流化は孤立化でもあると思います。
下流シリーズばかり読んでいると、自分も下流のような気がしてきました。( ;∀;) ほどほどにしよう。