まーきちのお気楽生活

正社員からバイト暮らしを選んだ旅好きなおじさんの日記

現代に通じる貝原益軒の養生訓

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中国より伝わった白澤 




貝原益軒(かいばらえきけん 1630ー1714)は江戸時代前期の本草学者で儒学者。本草学とは中国や東アジアで発達した医薬に関する学問です。

 

ja.wikipedia.org

 

筑前国に生まれ70歳までは今でいう公務員として働き、70歳以降に著述に専念。84歳まで生きているので、この時代としてはたいへん長生きです。

 

1712年、貝原益軒83歳の時に「養生訓」を上梓しています。

 

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岐阜の内藤記念くすり博物館にあった資料です。いいことが書いてありましたので、以下パネルの丸写しです。

 

養生訓

 

1. 欲をこらえること

 

益軒の目指す養生の基本は節制と考えられる。 耳目口体には、それぞれ聞くこと、見ること、 飲み食いすること、色を好むことなど、各部位ごとに好む欲がある。 食欲色欲などをこらえず、むさぼって思うままにすれば節度を越え身を損なって、礼義に背くことになると述べている。

 

※礼義一人としての正しい道

 

2.日々の生活を楽しむ

 

日々の生活の営みを楽しみととらえることの必要性を益軒は説いた。 貧しくて身分の低い人でも、正しい生き方を人の道としそれ自体を楽しんで生活していくことができれば、大きな幸せである。 このようにして、 一年一年を積み重ねていけば、 自然と長寿になるのである。

 

3.自然の生活を楽しむ

 

簡素で欲望のない自然の中での生活のよさを益軒は説いた。山中で暮らしている人は多く長命である。 古書にも 「山気は寿多し」といい、 また 「寒気は寿命長し)」ともいう。町の中の人は世間との交際も多く、多忙であるから気が減るのである。

  

4.心の楽しみを知る

 

人生を楽しむために心の楽しみが必要であると益軒は説いた。 一人家にいて静かに日を送り、 古書を読み古人の詩歌を吟じ、香をたき、山水を望み、月花を愛で、草木を慈しみ、 四季の景色を楽しみ酒をほろ酔い程度に飲み、庭で作った野菜を煮る。 これらはみな、心を楽しませ”気” を養う助けとなる。 貧餞な人でもこの楽しみはいつでも実行できる。

  

5.運動は健康増進のもと

 

よく体を動かし、仕事に精を出すことの大切さを説き、歩き方、働き方も具体的に述べている。

身体は毎日少しずつ労働すべきで、 長く座っていてはならない。 毎日食後には庭を数百歩静かに歩行する。 雨の日は室内を何度となくゆっくり歩く。

 

6.腹八分目

 

「病に食い勝つ」 という諺があるように、食べなければ健康 を維持するのも難しいし、 病気の回復も遅い。 しかし、どんなにおいしい食べ物でも食べ過ぎれば、 胃腸をそこない、病気をおこすことになる。 美味、珍味の食べ物でも腹八、 九分でやめることを勧めている

 

7.心の養生

 

養生は体のことばかりでなく、「養生の術は先心気を養う べし」とあるように心の養生も必要であると益軒は説いた。 それは心身相関の確固とした理念、 体は心によって養われ、 心は体によって養われると考えたのである。

  

8.むやみに薬は飲むな

 

「孫思邈が“人故なくんば薬を餌うべからず。 偏に助くば 蔵気不平にして病生ず”と言っている」と述べているように、 たいした理由もなく薬を服用すれば、五臓に代表される体の機能全体のバランスを崩し、かえって病気の生じることがあると説いた。

 

9.薬より養生

 

益軒は薬については次のように述べている。 薬はみな偏った 性質があるものなのでその病に応じなければ必ず毒となる。 従ってどんな病気であれみだりに薬を服してはならない。 病の災いより薬の災いのほうが多い。 薬を用いなくても慎んで よく養生すれば、 薬の害もなく、治りやすい。

 

10. 服薬は慎重に 

 

服薬についても益軒は慎重な態度をとることを次のように述べている。 薬を飲まなくても自然に治る病気は多い。このことを知らないで、みだりに薬を服用したことにより、 病気がかえって悪化し食欲をなくし、 必ず死に至る例が多い。

 

 

今から300年以上も前の人でも同じようなことを考えているんですね。テクノロジーは進歩しましたが、根本的な部分で昔も今も人間はいっしょなのだと改めてびっくりします。

 

現代にも通じるシンプルな考え方ですごくで共感できます。

 

2.3.4などは心の持ち方に関してですが、景色を楽しみ花を愛でるような心の余裕が必要ということですかね。

 

江戸時代にはストレスをあらわす言葉は無かったのかもしれませんが、当時からいかにストレスをためず日々楽しく暮らすことが、長寿と健康に帰するか説かれています。

 

いいこと書いてありますね。

 

 

逆に現代のほうが情報がありすぎて本質を見失っているような気がします。 

 

納豆がいいとテレビで放送されるとスーパーの棚から納豆が売り切れ、サバ缶がいいと言われると皆買占めに走る。

 

これも情報過多な一例では。

 

あたりまえですが、ついつい忙しい現代人は疲れたらエナジードリンク片手に寝る間も惜しんで働いてしまいます。そりゃ体壊しますね。江戸時代の人に笑われちゃいますね。

 

もっとシンプルに、暴飲暴食やめてストレスためずに運動して、薬に頼らず休養を十分に取るということですね。