JR常磐線の東海駅で下車しました。東海村を歩いてみます。
東海村は水戸から北東に約20km、太平洋に面した村で、海岸沿いには日本原子力発電㈱東海第二発電所や多くの原子力関連機関が立地しています。
日本で最初に原子力の火が灯った地として知られています。
東海駅周辺
駅前にはイオン東海店がありました。
東海村は人口3万7千人で日本で2番目に人口の多い村。東海村より人口の少ない市は全国にたくさんありそう。
少なくとも村のレベルではないですね。
朝の開店前の山新ホームセンターです。駅周辺には多くの商業施設やファミリーレストランなどがあって活気が感じられます。
歩いているとさっそくこんな車を見かけました。
原子力規制庁の出張所のようです。
東海第二原発の半径30㎞以内には、水戸市や日立市を含め100万人が住んでいます。何かあったら一大事。
動燃通りを歩く
その名も「動燃通り」という通りを海岸方向へひたすら歩きます。
丘陵地になっていてなだらかな丘をふたつほど越えていきます。
目をひく大きな看板がありました。
ひたすら一本道を歩きます。
遠くに大きな煙突をもつ建物が見えてきました。東海第二原子力発電所のようです。東日本大震災時に自動停止してから稼働はされていないようです。でも煙突から煙は出るんですね。
日本原電・東海第二原発の再稼働差し止め命じる判決…「避難計画整えられていない」 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン
保育園がありました。
国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
動燃通りの終りには国の機関である日本原子力研究開発機構がありました。
有刺鉄線のフェンスで囲われています。
周辺監視区域の看板。私みたいな不審者を監視しているのかな?(笑)
侵入禁止の看板。
私、映されてるかも? やばくない?
これは放射線を測定する機器でしょうか。ところどころに立っています。
原子力関連施設は物々しいですが、周辺は普通の街並みが広がっています。
さくらやという旅館もありました。原発関連の方も多く宿泊するのでしょうか。
村松山虚空蔵堂 日高寺
東海村きっての名刹、村松山虚空蔵堂日高寺とその隣にある大神宮です。
日高寺は日本三体虚空蔵菩薩のひとつ。
立派な仁王門。
「虚空蔵さん」と呼ばれる日高寺は、平安初期の大同2年(807)に弘法大師空海によって創建され、現在は真言宗豊山派に属しています。(HPより)
頭脳明晰、記憶力増進、成績向上、技芸上達のご利益があるそうです。また厄除け、方位除け、開運などの願いを叶えるらしいです。
ウクライナ戦争終結、コロナ退散、家内安全、お金で困りませんように、といろいろ願いました。
平成10年再建の三重塔。
隣の大神宮です。茨城一宮らしいです。神宮の上に何もつかない、ただの「大神宮」なんですね。
門前にはだるまを売る店がありました。関西や東海ではだるまを土産物として売っているところはほとんど無いと思います。
基本的に関東、東北のものなのかな。
国道245号線沿い
国道245号線を北上します。
看板に真砂寮とありましたが、原子力関連施設の寮のようです。
また別の研究施設があるようです。発電所だけでなく関連する機関や施設がたくさんあるんですね。
こちらが通用門のようです。けっこう頻繁に車が出入りしていました。
テロ対策強化中のようです。
原子力科学館
入場無料の原子力科学館に入ってみます。
(社)茨城原子力協議会の運営。
原子力に関するPR施設で、どちらかというと子供向け。
身の回りの放射線コーナー。
放射線測定器がありました。
展示全体を通して、放射線はそんなに危険ではないですよ~アピールが目につきます。
たしかに放射線は身近に存在しますが、それと原発は少し違うような・・
実物元素周期表。けっこうおもしろい。
ニッケル。ニッケルはけっこうロシアからの輸入が多いようですね。
ビスマス。
クロム。
むかし使われていたウランガラス。発色にウランが用いられたそうです。微量の放射線を出します。
空港の保安検査場にあるX線検査装置。
映ってる。
ここでもレントゲン写真と比較して、原子力発電所の安全性アピール。
たしかに通常運転時は危険性は少ないでしょうが、東日本大震災級の地震が再び起こるとも限らないし、今のご時世ロシアからミサイル飛んでくるかもしれませんし。
あとこちらではイメージが悪いからか、「放射能」という言葉は使われていないですね。放射線を出す能力を放射能と言いますが、放射線という言葉に比べ、なんか毒性が強いように感じてしまいます。
原子力発電所の燃料ペレットや燃料棒の見本です。
JCO臨界事故コーナー
別館は雰囲気が違います。
見どころは1999年9 月30日に発生したJCO臨界事故を振り返るコーナー。
当時、ニュース速報で大きく報道され、住民が避難する大騒ぎとなったのをよく覚えています。
こちらが事故当時に使用されていた沈殿槽です。本来は使ってはいけない機械でした。
事故は作業マニュアルを無視したずさんな作業手順により発生したわけですが、知れば知るほど管理体制がいい加減だなあと思います。そもそも「臨界」の知識が無い作業員が作業するかな。
私もけっこう仕事で手抜きをするのが好きですが、危険物を扱う現場では本当にこわい。
けっこう原子力を扱うということは、それに携わる多くの「人」の管理だったりするんだなあと思います。ヒューマンエラーを0%にするのは難しい。
事故では治療の甲斐なく2名の作業員の方が亡くなられています。その死に至る過程はウィキペディアを読むだけでもけっこう怖い・・・
ちなみにJCOのはこちらの海岸沿いではなく、東海駅の北西、内陸部にあります。
東海駅に戻ります
帰りは原燃通りを駅に向かって歩きます。
前日は福島の帰還困難区域をおとずれ、今日は東海村でちょっと変わった旅行になってしまいました。
東海駅に到着しました。
今日歩いたコースです。約9.2㎞でした。