まーきちのお気楽生活

正社員からバイト暮らしを選んだ旅好きなおじさんの日記

元ホームセンター店員が客注品について考察する

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私のホームセンター店員時代のお仕事について書きます。

 

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目次

 

客注品とは

 

客注品とは文字通りお客様から注文を受けた品のことで、お店が常時置いてある定番商品以外の取り寄せ品、または店在庫だけで足りずに別に手配する定番商品のことをいいます。

 

客注品の字のごとく、お客様を客と呼び捨てにしているわけですから、私はお客様の前では「ご注文品」という言葉を使うようにしていました。

 

でも従業員同士、仕入先とはもっぱら「客注品」という言葉が共通語です。

 

 

昔は客注品は担当者の腕の見せ所

 

私もホームセンターをやめて4年以上たちますが、最近はどうなっているんでしょうね。今はホームセンタ商材でも楽天やAmazon、モノタロウなどネット通販でいくらでも扱っていますからね。

 

セメントや木材などの大型商品はまだまだホームセンターの出番だと思いますが、工具や金物などはどんどんネット通販に侵食されていくと思います。

 

ネット通販のそれほど発達していない10年くらい前までだと、お客さんの注文に応じてお店の中のカタログの中から選んで差し上げることもよくありました。お客様が情報を持っていないことも多く、そもそも注文する商品の商品名すら知らずに、こんな商品が欲しいと注文しに来ることもありました。

 

お客様の話を聞いて、「あ、それはこれでしょう」とカタログを開いてよく見てもらったものです。なかにはよその店を何軒もまわって店員さんにわかってもらえず、うちで探してすぐ見つかって「それそれ、あーよかった。ありがとう」と感謝されることもちょくちょくありました。

 

こういうのは担当者の腕というか商品知識の見せ所ですかね。ただこういう感謝された1件の注文も会社にすればただの売り上げという数字ですけどね。

 

DIY部門などは特に客注品が多く、下手すれば一日の半分が客注品処理で終わったりすることもあります。

 

 

ネット通販が隆盛してきて

 

そしてネット通販が隆盛してきます。お客様がホームセンターを通さなくても買える商品がどんどん増えてきました。お客様も事前にネットで価格情報を集めることもできます。

 

私のやめる頃になると、客注品は完全にネット通販と競合になってきました。ネット通販で買えるのにあえてホームセンターに買いにくるお客はだいたい次の3パターンです。

 

自分で商品を選定したが自信がない

自分で商品を選んだものの正しいかどうか自信がない場合ですね。電動工具の替え刃だったり水道の蛇口だったり互換性を考えないといけない商品はたくさんあります。

 

そういうときアドバイスだけ求めてくるんですよね。そのあと注文してくれればいいですが、アドバイスだけただで聞いてハイ終わりというのも良くあります。まあ、それ以外の自店商品をついでに買ってくれればいいですが。

 

私がお客にアドバイスするなら店の買い物かごに商品何かを入れて質問するべきですね。買おうとしている人は無下に扱うことはないですから。

 

送料を安くしたい

 

定番外のお取り寄せ品の価格は基本的に仕入れに値に対して所定の掛け率の利益をのせます。よくお客さんはネット通販のこれこれより高いから値段を合わせろといいますが、そんなことは知ったこっちゃありません。

 

「じゃあ、ネットで買えば?」

 

という話です。家電量販店と違って値下げの権限は持っていません。大手ホームセンターの店員はただの作業員です。

 

ホームセンターで注文すれば送料分安くすむという考えのお客さんも多いですね。定番商品だとそれは通常便で送料追加なしでお店に入ってきますが、部品などの場合、部品センターから直送で入ってくることも多いですね。

 

送料がかかることをお話しすると、なかなか理解してもらえないお客さんも多いです。このあたりそれなりの会社で働いた経験のある人だとわかってもらえるのですが、そうでない人も多いです。

 

急ぎの場合

 

ネット通販で納期が間に合わない場合、ホームセンターに駆け込んでくる人も多いです。特に仕事で必要な商品の場合ですかね。

 

明後日には欲しいとか言いますが、100%約束できないことも多いです。何が何でも明後日、明後日と言われると、余計にお断りしたくなります。

 

私ははっきり言ってました。「努力はしますが100%保証はできません」

 

基本、私は腹黒ブラック店員でしたので、「そんなに必要だったら、あらかじめ用意しとけや。バーカ、お前が悪いんやろ」くらいに思っていました。

 

100%大丈夫と言い切ってしまうと、世の中何があるかわかりませんからね。大雪が降って運送が麻痺することもあるし、在庫確認したメーカーの勘違いで実は無かったなんていうこともありますしね。

 

絶対大丈夫と言い切って希望する日に入荷して来なかったら、お客さんのほうに迷惑が掛かってしまうというのもありますし。お客さんもそれはわかってほしいですよね。

 

「急げ急げ」と必死に言われるだけ、こちらは万が一の時のために予防線を張りたくなります。あまりにその勢いがすごいと私は断ります。

 

本当に頼みたかったらホームセンター担当者には、「遅れたらそれはしょうがない、でもお願い」と言えば、この人のためだったら頑張ろうかという気になります。

 

 

会社は客注品処理にはそれなりに評価を

 

まあ私も会社を辞めたのでどうでもいい話なのですが、会社側に言いたいのは客注品処理などの手間も正当に評価しろということですね。

 

客注品はお客様からの直々の注文なので仕事の優先順位としてはかなり上位に来ます。商品手配から仕入れ先とのやりとり、入荷の連絡まで多くの手間が発生します。そのおかげで本部からの指示を終わらせるのに若干の遅れや手抜きも出てきます。

 

お店のファンを増やすためには客注品は重要だと思います。やって当たり前といえば当たりまえですが、部門によっては数十件抱えることもあるので仕事のボリュームとしてはかなり大きいです。

 

ミスると時に大クレームに直結しますしね。私じゃないですが客注品絡みのクレームは本当に多いんですよ。

 

でもここだけの話、やってられないような金額の小さな注文も多いんですね。それこそ特殊ねじ1本だとか、蝶番1つだとか。

 

しかしネジ1本でも大クレームになることもあるので気が抜けません。苦労の割に儲からない仕事なのは確かです。それを会社はただ担当者の努力に任せてヨシとするのか。

 

うまいこと断る方法はないかと思いますが、ふつうに考えればネジや金物は食品スーパーなどでは売っておらず、お客様にとってはホームセンターが最後の砦なので対応すべきです。会社の言う業務の効率化とは真反対なんですけどね。

 

本部は結局、数字と売り場の目に見える部分しか見ていないんですよね。見えないプロセスの部分は見ようとしないんですね。アホらしー。

 

まあ仕事をやっている限りこういうジレンマは業種違わずどこの会社でもあると思いますが、45歳の終わりに「あほらしくてやってられるかー」と私の場合はなっちゃいました。

 

もちろんこれだけでなく、ほかにもいろいろな不満がありましたが・・・。でも大部分の社員はやめることなく仕事を続けていたわけですから、私の耐性が人並み以上に低かったのかもしれません。(笑)

 

 

ついでにひとこと

 

あと最後にひとつ。注文するだけして何度入荷連絡の電話をしても無視こいて引き取りに来ないボケ、たぶんあとでネット通販で安く見つけたんでしょうけど、こういうやつは社会人としてクソ、ばい菌、コロナウィルス以下です。

 

例えば以前あったのは、作業用ヘルメット15個に特注で名入れまでして、トンずらこいたやつがいました。 損するのは個人ではなく会社なんですが、手間ヒマかけていますので今思い出しても腹がたちます。名入れが無ければメーカーに返品できないことはないし、定番に混ぜて売れないこともないですからね。

 

(今はどうか知りませんが、当時は年賀状印刷やメーカー直送品、リフォーム案件など一部のサービスを除き、基本的によほどの大型商品でない限り前金は受けていません)

 

結局そういう一部のダメな客が発生させるコストを、大多数の良識あるお客様が負担する形になりますので、私自身は中国で導入されている信用スコアも悪いものではないと思います。

 

B to Bなら与信調査は当たり前ですが、これからは B to Cも必要じゃないでしょうか。

 

「信用スコア何点以下のお客様は全額前金をいただいております」

 

なんていう世の中が近い将来くるかもしれません。

 

 

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