介護付き有料老人ホーム
午前中に母を連れてケアマネージャーさんに紹介された介護付き有料老人ホームの見学に行ってきました。
介護付き有料老人ホームの定義について私もよく知らなかったので確認しておきます。
介護付き有料老人ホームとは、都道府県の指定(認可)を受けた有料老人ホームで、介護保険制度上では「特定施設(特定施設入居者生活介護)」というサービスに分類されます。
24時間介護スタッフが常駐し、掃除や洗濯など身の回りの世話や、食事や入浴、排せつなどの介助サービスが受けられます。
主に民間企業が運営しています。
【はじめての方へ】介護付き有料老人ホームとは|LIFULL介護(旧HOME'S介護)
見学先は関西で多くの介護付き有料老人ホームを展開するスーパーコート。ビジネスホテルチェーンのスーパーホテルの子会社が運営する介護付き有料老人ホームです。
コロナの関係で内部の一部しか見ることはできませんでしたが、母に言わせると明るい雰囲気で感じが良かったとのことです。
見学時にチェックするポイントとしては
・施設の清潔度
・スタッフの充足具合
・スタッフの表情
・入居者の表情
が大事になってくると思いますが、確かにいい印象でした。清潔なのはもちろんですが、スタッフのみなさんが私たちにも明るい声で「こんにちは!」と挨拶してくれるのが印象的でした。
見たのが食堂を含む一階の共用部分ということもあって、スタッフさんの数も多かったですね。
スタッフの内5人に1人くらいはアジア系(フィリピン?、インドネシア?)の多国籍軍でしたが、外国人の方も挨拶が素晴らしく、きちっと教育されている感じでした。
お金のためとはいえ祖国から遠くはなれた日本で、縁もゆかりもない日本人の介護をするとは頭が下がります。下の世話もですからね。
(すでに介護、製造、建設、農業など多くの分野が外国人に支えられていることは認識すべきかと思います。日本人ならあまりやりたがらない分野ですね)
担当の方からいろいろお話を伺いました。
全員の入居者にトイレ付きの個室が与えられ、食事は基本的に1階の食堂、お風呂は週に2回だそうです。
頻繁に声掛けや見回りも行われ、私の父のように排泄に問題のある者でもトイレの介助からオムツの交換もしてくれるそうです。
医師による往診は月2回ありますが、点滴など医療行為は行われません。必要な場合は家族に連絡があります。そこで提携する病院に行くか、自分で探した病院に行くか選択を迫られます。
なお施設では医療行為を行わない範囲で最後の看取りまで面倒を見てくれるとのことです。主に老衰の場合ですね。
施設には24時間、看護師資格をもつスタッフが配置されます。
正式に入居する場合は、何かあった時の延命措置をどうするかなど、事前に細かくヒアリングが行われ、家族の同意書が求められます。
なるほど。そう考えると身寄りのない一人暮らしの場合、老人ホームに入るのもいろいろハードルが高そうです。
気になる入居費用は基本月額15万5千円からで、要介護4の場合19万5千円です。ショートステイではないので最低でも2カ月は入ってもらわないといけないそうです。
月額料金以外にアパートのような敷金・礼金のたぐいの初期費用、更新料などは一切かからないそうです。
費用には食事や往診費など含みますが、電気代およびオムツやトイレットペーパーなどの消耗品は含まないそうです。電気代は各部屋にメーターがあり使った量に応じて請求されるそうです。
したがって月に21万~22万かかるでしょうか。実家の年金収入が月26万ですので、ほぼ父の老人ホームで消えてしまします。1日当たり7,000円。年間250万、2年で500万、4年で1,000万。
ただこれが高いかというと、一概にそうとも言えないでしょう。あれだけのスタッフを抱えて3度の食事からそれこそ下の世話までしてくれるわけですね。服や下着などの洗濯もしてもらえます。個室も与えられるわけです。
そう考えると払える、払えないは別にして妥当なところでしょうか。ビジネスホテルの素泊まりでも一泊4,000円くらいしますもんね。
なお面会に関してはコロナのため受け付けていないそうです。パソコンやタブレットを使用してのリモート面会になるそうです。(事前予約制)
特別養護老人ホーム
午後からは特別養護老人ホームも見学してきました。わりと規模の大きい施設でした。
特別養護老人ホームの特徴などもよく知りませんでしたので確認しておきます。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは、常時介護を必要とし、在宅での生活が困難な高齢者に対して、生活全般の介護を提供する施設です。略して「特養」とも呼ばれています。
特別養護老人ホームでは、入浴、排泄、食事などの介護、その他の日常生活の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行います。
特別養護老人ホームは、公的な施設の中で数も多く、比較的費用が安いのが特徴です。入所希望者も多く、申し込みをしてもすぐに入所できるとは限りません。看取りの対応も可能です。
施設形態には、「多床室」「従来型個室」「ユニット型個室的多床室」「ユニット型個室」があります。従来型は4人部屋が一般的となっており、一部2人部屋や個室があります。ユニット型は全室個室となっており、10人ほどのグループに分けられ、介護を受けることになります。
特別養護老人ホームでは、入所して利用できるサービスに加えて、一時的に入所して、その間に要介護者のお世話をしている家族の方が休みを取ることができる短期入所療養介護(ショートステイ)や日帰りで利用する通所介護(デイサービス)といった介護保険の給付対象となるサービスが利用できます。
コロナのため内部の見学はできず、1階の玄関先でスタッフの方から45分ほど説明を受け、こちらの質問にも答えていただきました。
こちらの特養はユニット型で全入居者に個室が与えられます。その点で先に見学した介護付き有料老人ホームと大差はありません。24時間介護、3食の提供やお風呂の介助なども行われます。
面会は月に1度、ワクチン接種済みの場合、ロビーで30分ほどできるそうです。
医療行為ができないことや看取りができることは介護付き有料老人ホームと同じですね。
気になる費用は要介護4の場合、月額15万5千円ほど。こちらは電気代やおむつ代もすべて込みです。
特別養護老人ホームの場合、国からの助成金や税制面での優遇措置があるらしく、介護付き有料老人ホームより安くなるそうです。
ただそこまで安いこともないかなという印象です。これは例えば多床室という複数で1部屋をシェアする場合はさらに安くなったりするんでしょうか。もちろん個室の方がいいでしょうけどね。
またあらかじめ入居申し込みをしておけば、必要性の高い順番から(申し込み順ではない)入居できるそうです。
母と話した結果、まずこちらで2泊3日のショートステイをできるだけ多くお願いすることにしました。そしてイザというときのために入居の申し込みも行っておくことにします。
申し込んでお声がかかってもタイミングが合わない場合、お断りすることもできるそうです。