阪急電車で大阪から京都へ向かいます。
嵐山線との乗換駅である桂駅で下車しました。桂離宮の最寄り駅です。桂離宮までは徒歩15分です。
桂離宮参観方法
桂離宮は宮内庁の管理です。
桂離宮の参観は午前9時から午後4時まで1時間毎に開催され、1日480人限定です。
基本的に事前予約制ですが、当日参加枠もあるようです。ただ朝8時40分から参観時間を指定した整理券を配るそうなので、朝に桂離宮まで出向く必要があります。
事前予約はけっこう人気で、抽選となることもあるそうですが、私はおひとりさまだったためか、一発で当選になりました。
当選すると下記のような文面のメールが送られてきます。
この度は参観にお申込みいただきありがとうございます。
抽選の結果、ご希望の日時にて参観が「許可」されましたのでご連絡いたします。参観許可の内容を下記URLより確認してください。
許可をいただきました。😃
当日は受付で許可番号を提示し(メールを印刷して来るか画面提示)、本人確認できる運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどを見せる必要があります。
受付の券売機で参観券(1,000円)を購入します。
参観が始まるまで待つ待合室です。
パッと見たところ30人ほどの参観者がいました。外国人も含みます。外国人は音声ガイドを借りていました。
英語のガイドさんが案内する外国人専用枠もありますが、私が参加したのは日本語で行われるふつうの枠です。
桂離宮とは
定刻の午後4時スタート。最終の時間枠です。
桂離宮は江戸時代初期17世紀の初めから中頃までに、八条宮初代智仁親王と二代智忠親王によって造られたもので、日本庭園として最高の名園といわれています。
桂離宮の総面積は付属地も含め約6万9千㎡余りである。中央には複雑に入り組む汀線をもつ池があり、大小五つの中島に土橋、板橋、石橋を渡し、書院や茶室に寄せて舟着きを構え、灯籠や手水鉢を要所に配した回遊式庭園と数寄屋風の純日本風建築物とで構成されている。苑路を進むと池は全く姿を消したり、眼前に洋々と広がったり、知らぬ間に高みにあったり、水辺にあったりして その変化に驚かされる。また切石と自然石を巧みに利用し、それにより真、 行、草にもたとえられる延段や、あるいは飛石の変化を楽しむことができ、入江や洲浜、築山、山里等もあり、それぞれが洗練された美意識で貫かれ、晴雨 にかかわらず四季折々に映し出される自然の美には感嘆尽きることを知らない。 作庭に当たり小堀遠州は直接関与していないとする説が有力であるが、庭園、建築ともに遠州好みの技法が随所に認められることから、桂離宮は遠州の影響を受けた工匠、造園師らの技と智仁親王および智忠親王の趣味趣向が高い次元で一致して結実した成果であろう。 京都御所、京都大宮御所、京都仙洞御所、修学院離宮とともに皇室用財産 (国有財産)として宮内庁が管理している。
パンフレットより
外腰掛と呼ばれる建物の前庭には島津家から送られたというソテツが植えられています。
苑路は人ひとりの幅の狭いところが多いです。
回遊式の庭園で中央には池があります。
参観者の列が間延びします。グループの最後尾には宮内庁の職員さんがついていて勝手なことをしないように目を光らせています。😅
桂離宮に就職してみたい~と一瞬思いました。ガイドはできませんが監視役なら良さそうです。一日素敵なお庭を適度に歩いて健康にも良いでしょう。
松琴亭(冬)
桂離宮の中には、松琴亭(しょうきんてい)、賞花亭(しょうかてい)、笑意軒(しょういけん)、月波楼(げっぱろう)の4棟の茶屋(茶室)がありますが、こちらは松琴亭です。
4党の茶室はそれぞれ四季折々の月を愛でるために建てられているそうで、こちらは冬の茶室だそう。
冬の茶室としては寒そうな建物です。
有名な市松模様のふすまです。
置物ではなく本物の白鷺が登場。よく飛んで来るそうです。みなさんカメラのシャッターを切っていました。
賞花亭(春)
ちょっとした起伏もある桂離宮です。飛び石を歩くところも非常に多いので、車いすや杖をつかれているような老人はちょっと無理でしょうね。
1時間くらい歩くので、桂離宮もある程度若いうちに見といた方がいいでしょう。
春の茶室とされる賞花亭付近ですが、10m~15mくらいの高低差を登ったように見えます。
しかし、実際は6mしか登っていないそうです。池の周りを歩くごとに劇的に景色が変わるように緻密に設計されているそうです。
いつもはゴールデンウィーク時期に満開を迎えるというツツジが早くも満開でした。
ガイドさんによると今年は早いそうです。桜は遅かったのに不思議なものです。
このツツジの風景はパンフレットの表紙にもなっていました。奥の建物は書院です。
笑意軒(夏)
園林堂です。茶室ではありません。
茶室のひとつ笑意軒。風が抜けることから夏の茶室とされています。
建物の前には階段があり、船から上がれるようになっています。高貴な人たちはここで舟遊びをしたんですね。
現代に比べれば娯楽の数は圧倒的に少なかったと思いますが、それはそれで楽しかったのでしょう。
ガイドさんの説明を聞く参観者です。
ガイドさんは時折ギャグも交えて飽きさせません。宮内庁と言っても堅苦しくはないです。
月波楼(秋)
秋の茶室である月波楼です。窓の外にはモミジが見えます。
池の向こうに松琴亭を望みます。
書院
桂離宮のメインの建物である書院です。桂離宮でイメージするのはこの建物です。
「古書院」「中書院」「新御殿」の3つの部分に分かれ、このうち古書院の建設は1615年頃と推定されるそうです。
桂離宮は一度も火災にあっていないそうで、修理・補修はされているものの、ほぼ江戸時代初期の建築をとどめているんですね。
書院は中を見るわけではなく、外から見学するだけでした。
書院は高床式になっていますが、これは桂川の洪水を考慮したものだそうで、1m70㎝ほどかさ上げされていますが、洪水で床上まで水が達した記録が残っているそうです。
最近も嵐山が洪水になっていましたが、昔から桂川は暴れ川だったんですね。
中門です。この先、入苑時に通ってきた参観者出入り口となります。
約1㎞ほどの苑内周遊コースでした。桂離宮自体は静かですが、外を走る電車の音が頻繁に聞こえてきました。それが無ければ完全に江戸時代の世界なんですけど仕方ないです。