ある会社にかかってきた1本の電話
とある会社の総務部に1本の電話がかかってきました。
総務部の責任者が電話に出るとインターネット回線の勧誘電話でした。
業者:「NTTのものです」
担当者:「NTTさん?」
業者:「はい、回線はそのままに月々のインターネット料金が安くなる新しい光サービスのご案内です」
A:「えっ、安くなるの」
業者:「そうなんです。使い勝手はそのままに月々の値段が安くなるのです」
A:「えっ、そうなの。それは話を聞いてみたいなあ」
と、人の移動が多い3月、4月はNTTをかたる悪徳インターネット回線業者にとっても稼ぎ時です。
光コラボレーションとは
光コラボレーション事業者とはNTT東日本、NTT西日本のフレッツ回線を仕入れ、それを消費者に提供している会社です。
ドコモ光やソフトバンク光、楽天ひかりなどのキャリア系から、ビッグローブ光、So‐net光などプロバイダー系までいろいろあります。
光回線の販売方法は現在NTT東日本、西日本との直接契約ではなくこの光コラボレーションが主流です。というのもNTTはプロバイダーサービスを法律で販売することができないんですね。
よって光コラボレーションの場合、消費者側にはプロバイダーサービスと回線サービスをひとまとめに契約できるメリットがあります。
料金面でも回線とプロバイダーを別々に契約するより安くなっていることが多いです。
ただこの光コラボレーション業者は玉石混交です。
転用とは
光コラボ事業者と契約すると転用という作業が行われます。フレッツ光回線を使用していた場合、フレッツ光回線はそのまま再利用して、契約はNTTから光コラボ事業者へ変更されます。
これを転用と言います。転用はNTTのホームページで転用承諾番号を発行し、コラボ事業者へ伝える必要があります。
ただし光電話などのオプションはコラボ事業者にそのまま引き継がれるわけでなく、内容はコラボ事業者によって異なります。
コラボ事業者によっては自前でひかり電話サービスの提供を行っていません。オプションに関してはNTTからの提供が認められているので、そのままNTTひかり電話サービスが使用できる代わりに、ひかり電話の請求だけはNTTから行われるというややこしいことも生じます。
事業者変更とは
コラボ事業者から別のコラボ事業者へ変更、すなわち再転用を事業者変更と言います。
例えるならソフトバンク光から楽天ひかりへの変更の場合ですね。
事業者変更を行う場合は出ていく方のコラボ事業者から事業者変更承諾番号を取得する必要があります。
転用も事業者変更もすでに引かれたフレッツ光回線を再利用する仕組みになります。
悪質な光回線のセールスとは
そこで冒頭の電話の話に戻りますが、そもそも光コラボ業者なのにNTTをかたるのはNGです。
悪徳業者は言葉巧みに転用承諾番号、事業者変更承諾番号を発行させ、聞き出します。
そして知らぬ間にわけのわからない〇〇光サービスに加入させられることになるのです。その際にはわけのわからない高額オプションが勝手についていることも。
またもとに戻そうと解約するにも縛りがあって高額な違約金が発生することも。
光コラボの悪徳代理店はその〇〇光サービスを売りつけたことによるインセンティブを稼ぐことしか頭にありません。
冒頭の電話のあった会社の場合
冒頭の電話の会社は元請けから委託をうけていろいろな施設の管理をしています。ネット回線は元請けが支払者になっていました。
総務担当者は自社が支払っていると思い込んでいました。
それを元請けの許可も得ずに勝手に契約しなおしてしまった形になります。元請けに見慣れぬ業者から請求書がきて判明しました。
元請けからはどうしてこうなったのか経緯を説明してくれと言われています。
ややこしいことになりそうです・・・
電話勧誘なんていまどき100%まともな業者はないでしょう。総務省も注意喚起を行っています。
画像引用元:総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000388714.pdf
こちらの記事は下記の動画を参考にさせていただきました。